博士リサイタルが終演いたしました
2月8日に、第一回博士リサイタルが終演いたしました。
前半は、フランス・パリ トロカデロ宮の絢爛さが目に浮かぶようなA.ギルマンの《オルガン・ソナタ第1番》op.42より第1楽章と、オルガンの名手として国際的に活躍したイタリアの作曲家M. E. ボッシの《演奏会用作品》op.130aをソロで演奏しました。前者はのちにオルガンとオーケストラの編成に編曲され、後者は原曲がオルガンとオーケストラの編成となっており、どちらもオーケストラ的な音響効果や表現に溢れています。
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後半は、ラインベルガーの《オルガン協奏曲第2番》op. 177を、指揮長堀拓斗さん、コンサートマスター大光嘉理人さん、管弦楽藝大学生有志の皆さんとともに演奏しました。
昔からオーケストラに強い憧れがあったのですが、5年前に藝大モーニングコンサートでF. プーランクの《オルガン協奏曲》を演奏してからさらにオーケストラとの共演の魅力をぐぐぐっと強烈に感じるようになりました。
聴こえないほど小さな音から爆音まで一台で出すことのできるオルガンが、オーケストラというもう一つの大きな音響体と交わるまだまだ未知の世界を開拓していきたい、と思い、博士論文に取り組んでいます。
第一回のリサイタルでは、ロマン派以降のオルガン協奏曲の歴史の始まりにおいて欠かすことのできない存在であるラインベルガーのオルガン協奏曲を演奏したい!と以前から決めていました。
この演奏会のために集まってくださったオーケストラのみなさまに、本当に感謝です。合わせはわずか2回しかできなかったのですが、みなさんのアンテナの敏感さ、瞬発力、柔軟性に終始びっくりしていました。
とにかく、楽しかったです。
本番も瑞々しく豊かな響きで濃密なアンサンブルをしてくださり、感動と幸せと終わってほしくないという気持ちで熱くなりました。宝物のような時間でした。
コンサートマスターの大光くんは、学部生の時からバッハカンタータクラブやオルガン科試験で一緒に演奏させていただいていたので、楽器は違えど長年の同志とまた演奏できたという気持ちでとても感慨深かったです。安心してアンサンブルを楽しむことができ、本当に大船でした。オーケストラ編成からすべてにおいて、大光くん本当にありがとうございました。
アシスタントをしてくださった塩澤真輝くんはスーパーボーイで、初見でオケパートをピアノでなんなく弾いてくれたり、楽譜に何も書いてないのに即興レジストを高速でバチバチとしてくれたり、さまざまなことを先回りして妖精のようにこなしてくれたり、完璧なアシスタントをしてくれたりと、おかげさまで充実したリハーサルと本番ができました。
演奏会を行うにあたって、オルガン科の先生方、助手さん、教務や演奏企画室の方々、シグマの皆さま、スタッフを引き受けてくださった方々には、前例のない試みにもかかわらず、大変お世話になりました。お忙しいなか聴きにいらしてくださった方々、本当にありがとうございました。
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博士2年目も、おもしろいと感じる気持ちを大事に、真摯にがんばります!
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リハーサルの様子



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終演後にパチリ!熱気みなぎる演奏でした。

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楽譜たちとプログラムノート

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とっても素敵なお花をいただきました。

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お次は北とぴあと旧東京音楽学校奏楽堂です!
気温の上下が激しいので、みなさまくれぐれもどうぞご自愛ください。
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eriko